国内に居ながら外国へ旅行 〜猫にまみれて過ごす〜
コロナ禍の影響から少しずつ回復している世の中ですが、まだまだ旅行は無理だね……。とお考えの読者の方に向けて、猫の共和国【ネコリパブリック】への旅行をおすすめしたいと思います!
■猫が人間よりエラい国に潜入!
定期的に保護猫の情報を検索し、団体や活動家の現状を調査しているのですが、ある日「猫が一番偉い国」という気になるワードを発見したので詳細を確認してみると、なんと日本国内に共和国があるとの情報をキャッチ。イタリアで言うサンマリノみたいな感じだろうかと考えつつ、早速取材の交渉に入ると、なんともあっさりと許可をいただきました(笑)
今回訪れたのは、東京都御茶ノ水にある、ネコリパブリック御茶ノ水店。
真っ白な外壁の建物にシンプルな案内で、とってもオシャレな雰囲気の保護猫カフェです。
中に入ると、入国審査部分(受付)でまずは検温と消毒、靴下の裏まで消毒し、その後手洗いをしてから、さらに手指の消毒と入国時の水際対策は日本より徹底しているのではないかという印象でした。しっかりとした感染対策をクリアした後にやっと猫の楽園のような世界へ入室を許されるので、いざ!入室!
※今回は取材のためありませんでしたが、通常ではネコリパブリック専用パスポートを発行していただけるようです!
リパブリックという横文字の雰囲気よりも和風なテイストが目立つ内装で、実家というより、お婆ちゃんの家にでも帰ってきたかのような雰囲気です。
今回はネコリパブリック店長、内川さんにお話を伺うことが出来ました。
とっても素敵な空間ですが、いつからオープンされたのでしょうか。
「ありがとうございます!ここ御茶ノ水店は2015年5月31日からオープンしています。 もう、6年も運営しているので、設備的にガタが来ているところもありますけどね。笑」
爵位システムというのがあるそうで、爵位が上がるほど「えこひいき」してもらえるそうですね!具体的にはどのようなえこひいきが受けられるのでしょうか。
「一番最初の爵位が上がるタイミングで延長30分無料券を一枚プレゼントしています。どんどん爵位が上がっていく毎に、30分無料券の枚数が変わったり、一番偉い公爵になると、毎回15分延長無料とプチプレゼントがあります!プチプレゼントは侯爵になった時のお楽しみにして、どんどん通って欲しいですね!」
猫ちゃんたちがエラい国を運営していく中で、苦労も多いと思いますが、やっていて良かったこと、大変なことについて聞かせてください。
「やっぱり一番は、保護猫の譲渡が決まったときですね!
『みんな可愛すぎて選べない!』という声もありますが、保護主のライフスタイルに合わせて提案して、なるべく多くの子達が里親さんのものとへ受け入れられるように努力しています。
大変なことは体調を崩したときでしょうか…。時間や季節問わずなので、いつどうなるかわからない状況です。あとは、医療費が莫大にかかるので、難病と言われているFIPなどにかかると高額な治療費がかかります。FIPを特定できるだけの獣医さんが少ないなどの事もあり、発見が遅れて亡くなってしまう場合もありますし…。店舗以外でシェルター施設も持っていますが、そこで最後を看取る時は辛いものがありますね。」
なるほど良いことと、大変なこと両面あるからこそ、今元気な子たちのお世話のやりがいもうまれますね!ちなみに、現在はどれぐらいの猫ちゃんが在籍されているのでしょうか。
「現在は30匹が在籍しています!」
HPで見たのですが、結構猫ちゃんの名前が独特な子たちがいますよね…。私がみたのは…白鹿野梨子とか美童グランマニエとか…確か人の名前みたいな子でした。笑
「昔りぼんに掲載されていた、有閑倶楽部という漫画の登場人物の名前をつけています。 登場人物全員にお酒の名前が入っているのが特徴みたいですね!」
変わった名前ですが、どなたが名付け親になっているのでしょうか。また、なにか名付けに法則などありますか?
「保護団体から預かっている子達は名前はあるのでそのままですが、似た名前になることが多いので、TNTA部で保護した子たちは名前が無いので、代表がつけることが多いですね!
同じ場所や地域で保護された場合は関連する名前でまとめられたりします。
ちなみに、白鹿野梨子と美童グランマニエは酒屋さんの敷地内でで保護されたので、有閑倶楽部シリーズでまとめた名前です!最近で言うとドラゴンボールシリーズで御茶ノ水店では、飲茶・悟空という名前の猫がいて、他の店舗ではブルマがいますよ。笑」
猫ちゃんたちもたくさんいて、さらに落ち着く空間で、とっても癒されます。こういった空間づくりやコンセプトは皆さんで考えられているのでしょうか。
「店舗のコンセプトはほぼ代表が決めてますね!」
猫ちゃんの名前も、店舗コンセプトもとなるとかなり幅広い業務ですね。汗
「HPを見ると、大きい企業かと思われることが多いのですが、実は社員は片手ほどしかいなくてですね……汗」
え?そうなんですか?!100人規模ぐらいの会社かと思っていました。でも、代表の方もよくそんなにたくさんのアイディアが出てきますね。
「代表の猫愛というか「猫のためなら」という意欲は本当にすごいですね。とめどなくアイディアが出てくるそうです。現在もふるさと納税を活用した、猫助けプロジェクトを飛騨市と共同で行なっています。
そんなアイディアの一つに、「猫生たすけあい制度」というものがあります。通常、単身の方への譲渡は断られることが多いですが、ネコリパブリックでは、「猫生たすけあい制度」を利用していただくと単身者の方でも譲渡をしています。特に御茶ノ水店では、譲渡した半数の里親さんが単身者です!」
制度もさすがですが、半数が単身者への譲渡とはそれもすごいです!
「単身者だから大切にしないという事はなくって、とっても大切に育ててくれている方が大半です。そういった可能性を潰す事なく、どうしたら譲渡できるのかという事を常々考えて、行動しています。」
ここからはビジネス的なことについてお伺いさせてください。活動資金についてですが、行政からの補助金などはありますでしょうか。
「事業収益と一般の方からの寄付だけで賄っています。区、市、県、国などの行政からは一切無いのが現実です‥。」
私達もこれまで5〜6箇所の団体や保護猫カフェを取材してきましたが、基本助成金は無いのが当たり前になっていますが、やはり助成金はあったほうが良いとお考えでしょうか。
「もちろん、保護に関する助成金はあった方が嬉しいですよ!笑
例えばですが、もともとは殺処分する予定だった動物たちを保護した団体には、飼育料として、一匹あたり◯万円や、殺処分する経費を、生かすための経費として助成金として出すなど…方法は様々ですが、あると良いなと考えています。
」
なるほど。生かすための助成金という考え方はあると良いですね。次は、現状の日本の殺処分制度についてどうお考えか、聞かせてください。
「行政の方が全て悪いわけではないと思います。保健所などに持ち込んでしまう飼い主や、不妊しないで飼っていて逃げ出してしまい、野良猫になるなど、飼っている方のモラルがもっと向上すれば良いなと考えています。
また、猫の事を何も知らないで飼い始める方が多いのですが、ネコリパブリックでは、お世話体験や猫の習性などをある程度学んで頂いてから譲渡することになっています。一般的には、『猫ちゃんはおとなしい』や『犬よりも飼いやすい』というイメージを持たれていることが多いが、全然そんな事はありません。思ったよりも大きな声でなくし、元気だったり、なかなか大変な動物という部分も知ってほしいですね。」
今回、取材に伺う前に「みんなのきふ」についてご紹介させていただきました。 企業が動物保護に関する社会貢献事業を行うことについてはいかがでしょうか。
「とてもありがたい仕組みだと思います。これからは皆さん「お金の使い方」について意識する方が増えてくるのかなと考えていて、特に若い世代の方はご自身の買い物でも、そのお金が何に使われているのかを意識している人が増えたと感じています。それが猫の為に使われているというのが幅広く知られていくと、多くの方からの支援に繋がるのではないかと期待しています。」
ありがとうございます!最後に猫の最大の良さは何かという事を聞かせてください!
「見ているだけで世界平和を感じます!笑
寝顔を見ているだけで全てが許せるような気がして……どんなに疲れていても見るだけで元気になりますし!」
皆さんも、ほっこりする空間で猫まみれになって、くつろぐのはいかがでしょうか。
感染対策もバッチリですし、予約制で密が気になる方も安心!
今回は、人間より猫が偉い国。【ネコリパブリック御茶ノ水店】で取材をさせていただきました。店長さんやスタッフの方もとても素敵な方がいっぱいの素敵な店舗でした!
ありがとうございました!