猫と人。幸せをつくる保護猫カフェ

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今回は、岐阜県可児市にある保護猫カフェ「moff moff」(モフモフ)さんに訪れました!
猫が過ごしやすい環境を一番に考え店舗設計をされたとのことで、お店の作りからも動物愛が滲み出ている、オーナーの市川さんに、お話を伺うことが出来ました。

こちらの保護猫カフェを始めたきっかけを教えて下さい。

「専門学校生の頃に保護猫カフェと出会い、猫を助けるお店がやりたい!と思う様になりました。
一度は会社員として就職したのですが、子供の頃からの夢だった“絶対に動物に関わる仕事がしたい”という思いが消えず、10年以上考え続けた結果、自己資金とクラウドファンディングを活用して、保護猫カフェmoff moffを始めることになりました。」

10年も消えなかった熱意を形にしたお気持ちはどうでしたか。

「実際に保護猫カフェを開始してみると、思っていたよりも大変でした。猫が体調を崩すときは一斉に体調を崩すこともあったり、相性が合わない猫の管理や日々の掃除の大変さがありましたが、今は、動物と日々一緒に過ごせる喜びのほうが大きいですね。」

現在は、約11頭を保護しており、開始から2年で61頭の譲渡をしているとのこと。
主に岐阜県内にある『幸せの切符』さんからの一時預かりを行っています。
預かりの期限は、あえて設けておらず、出来るだけ次の住処を見つけられるようにと精力的に活動をおこなっていらっしゃいます。

理想は、保護猫カフェがなくなること

現在の日本での殺処分について聞かせてください。

「殺処分は無くなって欲しいと考えています。減らす為には、人に慣れない子はTNR活動を行い、慣れる子は飼い主を探して行く事が必要だと思います。保護活動家の皆さんの色々な思いもありますが、自分は自分思う活動を続けていきたいです。ですが、それでも飼い主による持ち込みがあります。野良猫がいなくなれば、絶対的な数が減ります。そうなれば殺処分が減っていくのでは無いかと考えます。」
※TNR活動…バースコントロールを行う活動の一つ。
T→トラップ N→ニューター R→リターン 野良猫を捕獲し、避妊・去勢手術を行い、元いた場所に返す。

活動についての補助など行政からの支援はどうでしょうか。

「国から保護活動者に対しての助成はありません。市からは、個人ボランティアに問い合わせがくる事があると聞いています。行政として部署を立ち上げて頂き、シェルターを作る。このような改革があれば更に良くなると思います。ボランティア任せの現状に疑問を感じてしまいます。」

市川さんが考える保護猫の理想は

「私の思う理想は保護猫がいなくなり、保護猫カフェがなくなる事でしょうか。人々の意識が変わり、シェルターから飼い猫を探すという事が増えれば、自ずとなくなるのではないかな、なんて考えています。保護猫カフェが無くなったとしても、もちろん動物に関する仕事は続けていきます。」

■開業直後の荒波をクラウドファンディングで乗り切る。

コロナ禍での影響は。

「2019年10月に保護猫カフェを開業して間もなく、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めました。2月までは特に影響もなく営業できていたのですが、3月からは客足はどんどん減っていき、国の要請に従い 4月、5月は休業。その後も時短営業を行いました。緊急事態宣言の際は、対象店舗ではなかったこともあり、協力金もありません。月5万円に満たない売上も経験し、いつ客足が戻るのかと不安な日々を過ごしました。 」

開業当初から大変な経験をされましたね。売上が少なくなる中で、運営資金はどのように確保されたのでしょうか。

「自身での借入も新規事業との事で、希望額を借りる事ができませんでした。このままでは、保護猫カフェの継続ができない。猫達の大切な出会いの場を守る為、悩みに悩み2回目のクラウドファンディングを実施しました。ありがたいことに、皆様からの支援が目標以上以上に集まり、なんとか事業を継続できています。」

HP、SNSでの情報発信、店舗の内装、感染症対策、全てを1人で対応されていました。
人と猫をつなぐ、このような場所を無くさない事。継続的に支援できる仕組みの大切さを改めて考えさせられました。

■保護活動者への助成、保護依頼者の意識改革

保護活動を行う為には、一定の資金力も必要かと思うのですが

「個人的な考えではありますが、資金が潤沢であっても、保護猫を引き取る基準を下げたくはないですね。困った状況にある猫たちは助けたいのですが、同時に飼い主の皆さんの意識改革も行わないといけないと考えています。
 猫を保護する場合、今いる猫達を守る為、病院での対応(ウィルス検査、ワクチン、虚勢、検便)、ウィルスの潜伏期間を考慮した2週間の隔離が必要になります。私の場合は、基本は、保護猫カフェの収益しかありません。全て保護者が費用を負担します。安易に全ての猫を受け入れてしまう事は、経営を圧迫し、維持できなくなってしまいます。こういった背景を理解して頂いて、今一度 自分に何ができるか考えて頂きたいと思います。」

■みんなのきふ事業について

みんなのきふという事業を紹介させていただきました。印象としてはどうでしたでしょうか。

「会社からの寄付で、NPOへの寄付ではなく、保護活動家への支援は珍しいと思います。 会社の善意なので、会社が損をしない程度で、長く続けてほしいですね。」

■店舗情報について

太多線下切駅より40メートル。30分800円~フリータイム2400円ワンドリンク付き。
詳しくはHPを御覧ください!
https://moffmoff.localinfo.jp/